結婚 性生活
男女の性と性行為について

夫婦が完全な調和に達するために、男性と
女性の性欲、性力、性感がどう違うか、そし
て性行為はどう行なわれねばならないかを知
識としてもつ必要があります。

性欲

性欲をその質と量に分けて考えてみます。
質のほうからいって、男女共通鱗あるもの
は、異性への接近欲でしょう。接近欲は、性
欲の始まりです。
だれとでも、ともかく異性であれば、いっ
-しょに話したり、お茶を飲んだりしたいとい
う初歩のものから、ある特定の人といると楽
しく愉快だというものまであります。この接
-近欲の進んだものは恋愛といってよいでしょ
う。それよりさらに進むと、性交欲になるわ
けです。
男女の違いがあるめは、第一に、その性交
欲の起こり方です。まず大きい違いは、男性
はある一定の年齢になると、自然に性交欲が
起こることです。これは、特に好きな異性が
いなくて竜、欲求が起こってくるのです。い
い替えると、刺激されたり、欲望をかき立て
られなくても、ホルモγ㊥伽用で体の内部か
ら起こってくるのです。
ところが、女性は接近欲はありますが、性
交欲は自然にはわきません。つまり、体の内
部から起こってこないのです。女性のその欲
望は、広い意味の教育、訓練、経験、刺激に
よって、つまり、外からの誘いがくり返され
て起こるものなのです。処女の場合、これが
自然なのです。
第二の違いは、男性の欲望は空想的、女性
の欲望は現実的なのです。
男性は、空想としてイ〆匙ジがえがけ、、そ
して興奮[ぶ起こります。眼前に好きな女性が
いなくてもよいのです。まして、女性の姿を
見たむ、写真や絵、あるいはよい香をかいだ
りすると、いっそう強く興奮します。
ところが女性のほうは、ある特定の男性が
好きでないと欲望は起こりません。それも、
ペッティングなどするという、現実的な刺激
を受けることによって、やっと性交欲が起こ
ってきます。いわば、女性には妊娠という生
理的な負担があるので、それだけ用心深いと
いえましょう。
それにくらべると、男性のほうはきわめて
簡単に起こります。しかし、性的に訓練され
た女性は、絵や写真を見ることで性交欲が起
こるといわれています。

第三の違いは、女性は男性にない月経があ
り、その月経による欲望の周期があることで
す。コイタスの経験があり、快感も知ってい
る女性が、外的の刺激がなくても、月経の前
後に欲望が強まるのです。これは、アメリカ
の統計でも同じ。月々の欲望の高まりのリズ
ムは、女性のみにあって、男性にはないもの
です。
第四は、満足の点ですが、満足するために
女性は精神的、肉体的な微妙な刺激を必要と
しますが馬男性は、前戯的ないっさいの刺激
は必要でなく、きわめて単純に猪突的に性交
によって満足を得ます。
この違いをよく心得ておくことが、性的調
和を得るために必要です。
しかし、性的に訓練されている女性は、オ
ーガズムに達するのが割合に早いのですが、
男性は訓練の有無にかかわらず、いとも簡単
にオーガズムに達します。
女性の不感症は、このオーガズムの不一致、
つまり、女性が快感の山を登りかけているの
に、男性は勝手に頂上に達して山をおりてし
まうので、女性はオτガズムに達することが
できず、とり残されてしまうということが、
一つの原因になっています。これは、男性の
責任といってよいでしょう。
第五には、男性は本質的にうわきで多情で
みるといえます。非常に愛している女性がい
ても、一人ではさびしく、他の女性にも欲望
をもちます。その欲望を行為に移すかどうか
は、道徳心や社会的な問題になりますが、よ
ほどの聖人君子でないかぎり、この欲望は男r
性が必ずもっている竜のだといってよいでし
よう。

女性にも、多情な人はありますが、社会的
あるいは生理的影響で、男性ほどきわだって
いないのです。
さて質の問題以外に、量のことがあります
が、この多少は議論の分かれるところです。
ただ、女性は、男性にくらべて極端に個人
差があるといえましょう。っまり、全然性欲
を感じない、男性に興味がなく、もちろん性
交欲もない無性欲症(冷感症)から、一方、多
淫症まで大きい差があります。
男性にも、もちろん個人差はありますが、
その違いが女性の場合ほどに極端ではありま
せん。
この欲望の量が、夫婦間でだいたい同じよ
うであるか、また、一方がついてゆける程度
ならよいのですが、たいへんに違ヶ場合は不
幸になります。

性力

性的エネルギーのことです。これは、七ば
しば性欲と混同されていますが、欲望はあっ
、ても能力のない場合があるので、別に考える
べきです。たとえば、男性にしばしば見られ
るインポテンスというのは、欲望ぱあっても
性行為ができない、できても不完全にしかで
きない、いわゆる性交不能、性交不全という
ので、これから考えても、性ガは性欲と別に
考える必要があります。
性力を計る目安は、コイタスの回数と、毎
回の所要時間、終わったあとの疲労の程度に
よります。

男女の性力を比較すると、疲労の面から見
て女性のほうがまさっているといえます。こ
れは、運動の主体が男性であるため、女性は
疲労が少なく、、回数も、男性は多数回には耐
えられませ々。ソ
男性で、回数がごく少なく、時間も短く、
女性が快感に至らないうちに終わってしまう
のは、性力不足といってよいでしょう。

性感

性的な感じ、特に快感をいいます。これも
やはり、女性には極端な個人差があります。
全然性感のない人から、性感はあってもク
ライマックスのない人まで含めて、-不感症と
いいます。ところが馬一度のコイタスで数回
オーガズムを感ずる人もあるのです。
男性には、不感症ということばのないほど
に、だれもが快感があります。しかし、まれ
には、男性でも射精はしてもオーガズムのな
い人があり、その数がふえる傾向があるよう
です。一度のコイタスで男性は一回のオーガ
ズムを感じます。
どちらが、その感覚がすぐれているか、比、
較することはむずかしいでしょう。ただ、男
性が早漏であると、女性の満足が少なく、不

感症になりやすいといえます。

性行為の経過

夫婦間の性行為は、次の四段階にわたって
行なわれるのが理想的です。
それは、
ω精神的な前準備の段階
㈹肉体的な前準備の段階
圖本行為
ω結末の段階
です。
ωというのは、二人が愛のささやきをとり
かわす、肉体接触以前の段階で、ここでいち
ばん大事なのは愛の会話なのです。男性にと
ってはわずらわしいと思われがちですが、女
性の心理からいうと、常に愛情のこもったこ
とばがほしいので、欠くことのできない段階
、といえます。

働は、いわゆるペッティングに相当する段
階で、体を愛撫することをさします。しかし
ペッティングとはいいません。なぜなら、動
作は同じでも、ペッティングはコイタスの代
用的行為であり、これは、コイタスの前段階
だからです。そして、この鋤の行為は、qゆと
同時に行なってよく、ω働を含めて、前戯と
いうことばでよびます。
この段階も、男性には不必要といってよい
のですが、女性には必要なのです。っまり、
この行為によって女性に快感が起こると、男
性性器を受け入れることができるよう、女性
性器から分泌物が出て、本行為に入る準備が
できるのです。r
ここで、注意しなければならないのは、こ
の前戯が長すぎると、男性が本行為に入る興
味を失うことです。ことに、②の段階が長い
と男性が疲労し、エレクト(隆起)した性器が
エレクトが終わって本行為に入れなくなるの
です。また女性では、特に慣れないうちは、
肉体的な刺激をくり返すと逆効果を起こし、
くすぐったがったり、痛がったりします。性
生活に熟練するまでには、前戯はマイナスの
面もあることを知っておく必要があります。
㈲の本行為とは、男性性器を膣に入れてか
ら抜くまでをいいます。その間、男女とも腰
を動かして、いろいろな動きをくり返すわけ
ですが、それによって二人の快感が高まり、
緊張感が極限に達し、解放される瞬間がその
クライマックスで、これをオーガズムとよび
ます。このとき、男性ぱ射精が起こります。
本行為の目的は、前にも述べたように、男
女そろってオーガズムに達することで、それ
ができない場合を性的不調和といいます。
㈲の段階は、やはり女性に必要な段階で、
「よかった」という簡単な会話でもよいし、抱
いたり接吻したりすることでもよいのです。
男性にとってはめんどうな感じがしますが、
、二人の満足感を最終的に表現する意味で、短
い時間でよいのですが、大事に考えたい段階
です。

いずれにしても、圖の本行為が最終の目的
で、この目的に達するため、二人の努力と知
識が必要になります。
それは、男女の生理と心理の違い、それぞ
れの性欲、性力、性感の相違などを勉強する
こと。そして、両者のズレをどこで一致ざせ
るかについて、二人でくふうすること。
女性が、男性にまかせるだけでなく、役割
をもつこと。たとえば、②の段階で、性生活
に慣れてきたら、男性性器に対しての働きか
けをするなど。
さらに、性についての考えに、暗いカゲを
もたないようにすることが大事です。
ここで、初夜の性行為について、一言ふれ
ておきましょう。
準備の段階では、特にωに重点をおき、働
は、接吻する程度にとどめます。男性として
は、㈲はむしろ省くくらいの気持で。圖では
挿入することを目的にあっさり終わるのがよ
いのです。女性電恐れることなく、進んで受
け入れようという心がけが必要です。
男性は、最初からしつっこい愛撫は禁物だ
ということを心得ていてぐださい。そして、
ωの段階では、ショックを受けている女性に
対して、じゅうぶんないたわりの気持を表現
し、心身ともに夫婦になったことを喜び合う
会話をかわしたいものです。
初夜は、女性にとってコイタスの快感はな
いのが当然で、夫のいたわりによって、はじ
めて満足があるものなのです。女性が快感を
感じるようになるには、二、三ヵ月から五、
六ヵ月かかるのが普通だということを、男性
は心得ておかなければなりません。